2016年6月7日火曜日

スタッフ紹介 馬場俊介

皆さま,こんにちは!!

きみっしょんスタッフの馬場俊介です。
あだ名は,(まんまですが)「ばば」です。

(この前のGWに沼津とか伊豆の辺りに旅行に行きました。海鮮美味しかった。)

東京大学理学系研究科物理学専攻の博士課程2年の大学院生です。
宇宙科学研究所の赤外線グループで研究しています。
(研究室のWebページは→ https://www.ir.isas.jaxa.jp/index-j.html


 趣味 

その1。
絵や図を描いたり,工作をしたりなど,ジャンルを問わずモノ作り全般が趣味です。
少し前は手軽さから紙細工にはまっていました。
最近は,塗装技術を身に着けてプラモデルのクオリティーを上げたいなあと思いつつ,
なかなか実行に移せずにいます。

その2。
自転車であちこちぶらつくのが好きで,度々サイクリングに出かけています。
そのために相模原に引越したときにちょっと良い自転車を買いました。
ロードバイクで何百kmも走るような本格的なツーリングではないですが,
マイペースに楽しんでいます。

その3。
漫画が好きでよく集めています。
人生で最初に買った漫画は,たしか「名探偵コナン」でした。今でも購読を続けています。
コナン好きの人がいたら,黒の組織のボスが誰なのか一緒に予想しましょう。
阿笠博士じゃないと思います。
美國島の名簿に名前があった大黒連太郎とか,黄昏の館の烏丸蓮耶とかが怪しい。


 研究 

宇宙研では,活動銀河核近傍の構造や物理状態を調べるという研究をしています。

活動銀河核(Active Galactic Nucleus; AGN)は,事務局ふぇるみの自己紹介の中でも
触れられていましたね。
巨大なブラックホールに大量のガスや塵が落ちることでとても明るく輝いている,
銀河の中心のコンパクトな領域です。
ブラックホールがどれくらい巨大かというと,太陽の100万から10億倍程度(!)の質量です。
また,どれくらい明るいかというと,太陽の1億から1兆倍程度(!!)の光度です。
これだけパワフルな活動をしていることから,AGNは,銀河に比べて1%くらいの
大きさしかないにも関わらず,銀河全体の進化と密接に関わっています。

AGNには観測上の特徴から様々な分類があり,特に,スペクトル(波長ごとの光の強さ)に現れる
輝線の幅によって,1型,2型と分けられます。
幅の広い輝線と狭い輝線の両方を含むものが1型,狭い輝線しかないものが2型です。
では,1型,2型AGNは,それぞれ性質が異なる別の種類の天体なのでしょうか。
いや,そうではなく,見かけ上違うように見えているのだ,と解釈するのが,
AGN統一モデルです。

AGN統一モデルは,下の図のような構造を仮定します。
まず,ブラックホールの周りには,ドーナツ型の分子雲(AGNトーラス)があります。
また,幅の広い輝線を出すガスがトーラスの内側に,狭い輝線を出すガスが外側にあります。
確かに,このような構造であるならば,視線が上向きのときAGNは1型に見え,
視線が横向きのとき,幅の広い輝線がトーラスで隠されて,AGNは2型に見えますね。


……などともっともらしく書きましたが,AGNが本当に↑のような構造になっているのか,
その答えは誰も知りません
いまだ明らかになっていない点が多い,というのが現状です。
上のような単純な構造だけではなく,もっと別の効果も考えないといけない,とか,
トーラスがあるにしても,その形には分厚いものや薄いものといった様々な個性がある,
というようなことが言われています。

AGNの構造の研究でネックとなっているのは,何と言っても,「AGNが小さい」ということ!
トーラスの大きさは,大雑把に言って10光年くらい。
対してAGNを含む銀河までの距離は,近くても5000万光年くらい。
5000万光年先にある10光年の大きさのものを見分けることは,
15km先にある米粒(約2mm)を見分けることに相当します。
相手が小さすぎるため,構造を直接観測しようとしても,望遠鏡の視力が足りないのです。

私の研究では,この問題点を克服するために,
近赤外の吸収線によって間接的に高い視力でAGNトーラスを観測しようとしています。
(この辺りの原理は,興味があれば質問しにきてください)
宇宙研の赤外線天文衛星「あかり」の観測データを利用して多数のAGNでこの観測を行い,
AGN統一モデルがどの程度正しいのか検証することが目標です。
赤外線天文衛星「あかり」 (C) JAXA

この研究について疑問や質問があれば,ぜひ聞きにきてください!
遠慮はいりません。むしろ色々話したいです。


 きみっしょんに向けて 

皆さんに会えるのを楽しみにしています!
実はきみっしょんにスタッフとして参加するのは4回目なのですが,
高校生の熱意には毎年驚かされ,刺激を受けています。

参加するみなさんにとって,きみっしょんは大きな挑戦になると思います。
ミッションのテーマ決め,班員同士での議論,知識を吸収し他の人に分かりやすく伝えること,
ミッション作成のステップ一つ一つが全く新しい経験かもしれません。
皆さんがそういった経験を通して色々な学びを得られるよう,しっかりサポートします!

きみっしょんで会いましょう!
それでは!

ばば