2016年7月14日木曜日

スタッフ紹介 坂本康輔

ブログをご覧の皆様,始めまして.
2016年度スタッフを勤めます,宇宙研の”A(エース)”こと,坂本康輔です.
所属は,早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 機械科学専攻 修士1年,
宇宙研では宇宙機応用工学研究系の久保田研にお世話になっています.
【HP】: http://robotics.isas.jaxa.jp/kubota_lab/ja/index.html

写真はとある僻地にて日本の夜明けを感じていたところです

《自己紹介》

自分は,5歳から,約17年間ラグビーをやってきました.
ラグビーに関しては昨年のW杯をご覧になった方も多いと思いますので詳細は省きますがとにかく熱く!激しく!男気溢れる!スポーツであります.
その他の趣味としては,コミック本集め(最近のおすすめはゴールデンカムイ),読書(司馬遼太郎,森博嗣,京極夏彦,芥川龍之介,etc...),音楽鑑賞(UK中心に,例えばOASIS, 邦楽はあまり聴きません),トレーニング,ジェネシス,ヒュペリオンなどです.

好きなスタンドは THE WORLD, 特技は扇風機の前で「あー」ってすることです.夏場は週3回,冬は2回やります.ちなみに去年の大会で準優勝でした.

《研究紹介》 

皆さんは,地球外生命体,或いはその痕跡などについて想いを馳せたことはあるでしょうか.自分は幼いころから常にその存在について考えてきました.
今のところ,地球外生命体の存在は確認されておりませんが,地球の近傍にある火星に関しては生命体の痕跡があるかもしれないと,様々な調査が行われています.

さて,そのような地球外惑星や衛星を手っ取り早く調査するためにはどうするべきでしょうか.
答えは,その道のプロ(専門家)が直接探査すれば良いわけです.
しかし残念ながら今の技術では人類を地球外に送り出すことは容易くはありません.現在までに人類が到達した最遠地点はであることはご存知だと思います.

ではどうするべきか.そこで世界各国の宇宙機関は「探査機を送り込みそこから様々な情報を得ているわけです.
日本でいえば,「はやぶさ」や「あかつき」が有名ですね.他にもNASAの"New Horizons"や"Curiosity", 最近ではESA(欧州宇宙機関)の火星探査機"ExoMars"などが挙げられます.
これら探査機は人が宇宙や惑星に行けない代わりに長い年月をかけて目標天体に接近,或いは到達し写真や調査データなどを地球へ送信します.
そうして得たデータを使って様々な研究者は仮説の検証や新たな証拠を見つけるわけです.

探査機による探査方法は色々あります.以下に示しましょう.
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フライバイ:天体に接近してその様子を上空から撮影します.接近した後はそのまま通り過ぎてしまうのであまり多くの写真は取れません

オービタ:より多くの写真が欲しいな,と思ったら,その天体の周回軌道に探査機を投入します.それがオービタです.

プローブ:実際に天体表面の地質とか知りたいと思ったときにはプローブと呼ばれる調査機を貫入します.天体表面に突き刺してそこから情報を得ます.その位置の岩石組成とかがわかります.

ランダ:天体表面に着陸します.プローブとは異なり,着陸地点周辺の環境なども調査できます.この辺になってくるとだんだんと技術的に難しくなってきますね.

ローバ:天体表面に着陸し,そこからさらに移動してより広範囲の環境を調査します.
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久保田研では一番下のローバについて,研究を行っております.
写真は久保田研で開発してるローバのAKIです

ローバに求められる技術的な課題は何が考えられるでしょうか.
それは一言でいえば,自律(ローバが自分で考え行動すること)です.
例えば,地球と火星間では最大で約20分の通信時間がかかります.そうすると,ローバ前方に障害物が見つかったとして,それを地球に送るのに20分,それを地上の管制局がキャッチして回避コマンドを送るのに20分,計40分の時間がかかってしまい,その間にローバは障害物と衝突してしまいます.
ですから,地球でラジコンを操作するように人間が全てをコントロールするのは現実的ではありません.よって,ローバ自身が現場で認識,判断,行動を行う必要があるんですねぇ.

ローバを対象とした研究は様々にあります.
先ずは,上記に書いた理由から,自律化のための研究,具体的には,画像から障害物を検知する研究,それを基にどのような回避行動が最適化を決定するアルゴリズムの研究.
ローバの目的は探査ですから,調査対象を判別するのも画像関連の研究ですね.
実際に得たデータを地上に送信するための通信の研究も大切です.
また,天体にはガソリンスタンドや充電スタンドなんてものはありませんから,ローバが動くのに必要な電力を確保する,或いは省電力化の研究も行われています.
ローバは移動して探査しますから,その移動機構(自分はここ)に関しても研究対象です.

宇宙でロボットを動かす,というのは地球で動かすよりも遥かに難易度が高いんです.
じゃあなぜそうまでしてローバを開発するんでしょう.
答えは始めに書いてあります.
地球外生命体の痕跡を見つけたいんです.或いは,惑星の成り立ちや,太陽系形成のメカニズムを知りたいんですね.宇宙と言うのはとにかく広い.そんな中どうして地球だけがこんなに恵まれているのか?ほかにも地球のような惑星があってもおかしくないのではないか?地球に近い火星なら過去に生命が存在したことがあるのではないか?
どんなに考えてもきりがありません.
だから探査する.


とまあ,こんな研究をしておるわけです.

《きみっしょんについて》

自分がきみっしょんのスタッフをやろうと考えた理由は,単純に面白そうだと感じたからです.それ以外の理由は無いですね.
もっと言えば,自分は何か行動を起こすのに必要なのは面白そうだ位の理由で十分だと思っております.だから皆さんも,「おっ,面白そうやな」と思ったらやればいいと思います.
逆に,よくないのはやりたいのにやらない,やりたくないのにやるってことです.

宇宙兄弟では,あのブライアン.Jの台詞に「人生にはいくつもの”夢のドア”がある」ってものがありました.そこでは人は大きな夢に対し,その大きさにビビって動けなくなるが,本当は小さなドアが連続しているだけで,大切なのはそのドアを開けようともがき続けることだとあります.
この言葉に自分はとても共感しており,付け加えて言うならば,一歩踏み出す勇気が大切なんだと思います.
チャンスというものは誰の前にも平等に現われます.このきみっしょんだってその1つです.
自分が高校生のころはきみっしょんの存在を知りませんでした.それでもJAXAで研究したいという気持ちを持ち続けて,今ここにいます.
周りに応募する人がいないからとか,周りの目が気になるとか,応募しても通らないかもしれないとか,自分なんかではできそうにないとか,辞める理由を考えてもし手を拱いているのであれば,その人こそむしろ今すぐ応募すべきです.
人はなにかにつけては言い訳をしてやめてしまう.それは大人になると変なしがらみとかいうお化けにとらわれて,より顕著になっていきます.
行動できない人はチャンスに対して一歩を踏み出す勇気が無いだけ.
我々は勇気を持って応募して来てくれた人たちを歓迎します.宇宙研には様々なバックグラウンドを持つ人たちがいます.そんな人たちと過ごす,一緒に研究できる日々はきっとすごく楽しいです.
きみっしょん当日,お会いできることを楽しみにしております.
エース