2016年7月7日木曜日

スタッフ紹介 戸端佑太

はじめまして!
きみっしょんスタッフの戸端佑太といいます。
とばってぃと呼んで下さい!(笑)

 私は 総合研究大学院大学 物理学研究科 宇宙科学専攻の1回生で、
後藤研究室http://www.isas.jaxa.jp/home/hatta_goto/に所属しています。
後藤研究室では「超高温下で 軽くて 丈夫で長持ち」な材料としてロケットエンジンの
高温部品への応用が期待されているセラミックス製の複合材料
                 CMC    
の開発・強度評価が行なわれています。ということでまずは研究のお話からさせてください!

 [研究について]
 突然ですがみなさんに問題です。
   Q. ロケットエンジン内部の材料温度はいくらでしょうか
   a.) 200 〜300 ℃  b.) 1500℃くらい  c.) 10000℃くらい  

スペースの都合上解答にうつります(笑)、厳密には燃料の種類によりますが、液体燃料の場合その燃焼温度はおよそ約2000℃に達するといわれています。しかし実際にはエンジン表面に冷却ガスを投入し冷やすことによって、材料の表面温度をおよそ1500℃くらいに下げています。ですのでここでは、b.)が大体正解ということにしましょう(笑)
 この環境下では、大部分の材料は「溶ける」もしくは「強度低下」を生じ破壊してしまいます。従来のロケットは
     「エンジンを冷やす」「溶けることを諦めて材料を厚めにする」
ことによりエンジンの構造を維持しています。しかしこれらの方法では、
     「ロケットが重くなる」
だけでなく、
     「一回しか使用できない➡️打ち上げに必要な経済的コストが大きい」
です。残念ながら今のままでは私たちが宇宙に行くにはまだまだ遠い話になりそうです。ですが実はこれらの問題の解決が期待される材料があります。それが先ほど紹介したCMCです。
 CMCがどのような材料であるかを簡単に説明します。下の図はCMC材料に物体を衝突させる実験によって穴が空いた状態を示したものです。この材料は先程述べた通りセラミックスでできています。身近なものでいえばお茶碗やコップに用いられている材料と同じ種類の材料です。
 例えばお茶碗に、先ほどと同様に釘か何かで穴を空けましょう(本当に実験するのは勿体ないのでやめましょう)。その後どうなるか想像してみて下さい。この写真が映し出す事実がどれほど意外性があるかお分かりいただけると思います。そうです。普通のセラミックスであればもろいため穴を空けた瞬時に粉々に砕けてしまうものが、CMCでは起こらないのです。このもろさのことを専門用語で「脆性」と呼びますが、CMCはセラミックスの中でこの特性に優れた材料、すなわち「丈夫で長持ち」な材料といえるでしょう。また、本来セラミックスは「軽量」「耐熱性」を有しています。これらの話を聞いていくうちに、段々とCMCの可能性にわくわくしてきませんか?
穴が空いたCMC材料
(https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/
KAKENHI-PROJECT-20760071/20760071seika.pd
f
ただし、私がお話したものはCMCのほんの一側面に過ぎません。
実現までに幾つかの課題があるのも事実です。それは何でしょうか?
またそもそもなぜ同じセラミックスでもCMCは脆性に優れるのでしょうか?
CMCはどういった構造をしているのでしょうか?
気になった方は是非調べてみてください!
調べる手がかりに困ったら私に気軽に聞いてみて下さい!

 [趣味について]
シャーロックホームズ洋書ver
シャーロックホームズ」シリーズが大好きで、日本語版でなく洋書版も持っています(笑)犯人を追いつめるまでのプロセスをクイズ感覚で推測し、主人公の模範解答の巧みさに毎回脱帽する(笑)といった風に楽しみながら読んでいます。ちなみに、好きなタイトルは、数えきれない程ありますが、すぐに頭に思い浮かぶものとしては「緋色の研究」「空き家の冒険」「踊る人形」といった話が好きです。
 他にも飛行機空を飛ぶことが好きで、学部時代には鳥人間サークルに所属していました。現在も社会人と学生合同チームに所属し、2017年大会の出場を目指し、和気あいあいと機体の製作を 手伝っています。                                                                            
2014年大会時の飛行の様子

[きみっしょんに向けての意気込み]
強度試験装置と私
高校時代から宇宙分野に興味があったのですが、当時部活(剣道)に打ち込んでいた私はあまりこういったイベントに参加できませんでした。部活を理由に参加しなかったと言ってもいいかもしれません。幸い縁あって今に至るわけですが、当時の消極的な姿勢を悔いることがあります。しかし、きみっしょんに申し込まれた方々は、私とは正反対です。自分の好奇心に従って、本気で来られている。私はそんな必死な思いで頑張っている方達になにかサポートしたい、将来設計を立てる上で納得のいく進路を見つけ出せるようにあるいは自分の希望の進路に沿って歩めるようになってほしいと思います。そしてあわよくばですが、同じ目標を共有して、将来は頼れる仲間として一緒に実現に向かって歩んでいきたい、と。おこがましいかもしれませんが、そのような思いできみっしょんに
取り組もうと思っています。     

                                           とばってぃ